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丸海てらむのスト6攻略日記です

読み合い概論、「合計値」と「バランス」

読み合い概論。12000字になった。収穫の大きい回だった。

3×3のジャンケンのような読み合いを仮定して、選択肢のリターンをいろいろいじって考えてみた。

結論、重要なのは「リターンの合計値」と「その偏り方」ではないか、と思い至った。偏り方とは? 例えば2000ダメージの択、1000の択、300の択があるより、全部の択が1100ずつ減るほうが期待値が強い。というような話。面白いことに、偏り方が同じであればどう偏っているかは関係ないらしい。例えばグリコのジャンケンをやるとして、あれはグーが3歩、チョキとパーが6歩進むが、自分だけグーとパーが6歩、チョキで3歩進むようにしても別に有利にも不利にもなっていない。何で勝っても5歩となったら合計値同じだがバランスが良くなるのでやや強くなる。など。

従って、読み合いの期待値の高さはだいたい「リターンの合計値」と「偏り方」を見れば概ねわかりそうだなと思い至った。かなり大きい発見。

でそこから一歩進んで、このゲームの全部の選択肢をざっと並べて見て、特に狩りづらい選択肢はどれか、ということを考えている。結論を言うとガードを崩すのはやっぱ難しくて前ステくらいしかなく、バックジャンプとバクステに関しては飛び際や離れ際を殴るしかなくてそれができないとラインを上げる程度で済んでしまう。のでそこにリターン取れるキャラが偉そうだな、と今目星を付けている。つまり前ステが強いキャラ、何かガードにリターン取る手段があるキャラ、後ろ下がりやしゃがみガードを崩せるキャラ、バクステを潰せる長い技(めりこんでもよい)があるキャラ、垂直を容易に狩れるキャラ、バックジャンプにやることあるキャラなど。それを探していきたい。

 

というようなことを思った。

記事書き終わってここにまとめを書いているので、以下はその思考の過程ということになる。

 

 

 

 

 

「状況ごとのエクイティを計算して、それを取り切る」という考え方をずっとやっている。要するに欲張らない。

そこで問題になるのが「この状況の自分のエクイティ、どれくらい?」という問題である。前提条件から、どっちがどれくらいの期待値を持っているのかさっぱりわからない。

ちなみにエクイティという用語を当たり前のように使っているがこれは造語というかポーカー用語から勝手に拝借してだいぶ違う意味で使っている、謎の用語である。「在る状況に置いて、読み合いが無限に回り切ってお互いのプレイヤーが最善を尽くした時、平均してどっちのプレイヤーがどれくらい得をすることになるのか」という度合いである。

例えばリュウの大パンキャンセルラッシュしゃがみ中パンで密着+4Fを作って投げの駆け引きをやるという崩しがある。投げが通ることがあり、打撃が通ることがあり、シミーが成功することがあり、ガードされることもあり、投げを抜けられることもあり、無敵技を食らうこともあり、ガードにシミーして何も起きないこともあり、といろいろなことが起こる。でも平均するとおそらく1回あたりリュウ側が300ダメージぶんくらい得しそうだな、とこの前計算して思った。ということで「大パンラッシュ中パンの後の状況は、リュウ側のエクイティはたぶん+300くらいである」と思っている。こんな感じで使う用語。

 

 

でだ、状況ごとのエクイティを考えるヒントを思いついた。ガリガリ読み合い全部計算してナッシュ均衡出そうとしなくてもわかる方法。

範囲を大きく絞れる。ひとつは前から知っている知識だが、「ある状況におけるエクイティは、相手の各選択肢に対する最大リターンのうちもっとも安いものを超えない」というものである。

例えば密着の読み合い、ガードには投げて1200ダメージ、暴れには打撃で潰して3000ダメージ、ジャンプは落として1600、パリィはパニカン投げすれば3000、ただバクステされるとそれは狩れなくてそれだけ何もない、という読み合いがあったとする。この読み合いの期待値はどれくらいか? お互いが最善を尽くしたら平均何ダメージ取れる?

答えはゼロである。この条件下でお互いが最善を尽くしたら、防御側が毎回バクステすることになって何も起きない。攻撃側は新たにバクステを狩る択を見つけなければ、全くダメージを与えることができない。3000の打撃も1200の投げも通る理由が全くない。

 

ということで「最も安い逃げ方への最大リターン」が上限値になる。しかもそこから下がる恐れがある。

こうして上限がわかった。状況ごとのエクイティをバシっとここだと言い当てるには緻密な計算が要るけど、「だいたいこれくらいだろう」と見積もりならある程度の範囲とか濃淡がわかればいい。今上限がわかった。範囲の片方の端がわかったわけだ。

次に下限を知る方法もある。これはめっちゃシンプルで、「どっちが有利か」を考えれば良い。同キャラで片方のキャラが有利フレームを取っていたら、絶対にそっちが有利になる。期待値そっちがプラスになるはずである。

ということで「期待値0よりは高いはず」と下限がわかる。

 

これはちょっと大きい発見かもしれない。まずどっちが有利かを見て、次に防御側の全部の選択肢を網羅して、最も狩るのが難しいものに対するリターンを出す。「少なくともゼロ以上、こっちがプラスだろうけど、大きくてもこれ以下になる」と結論が出る。

例えば技一回ガードするだけで済むような状況だったら、実際にはそこで毎回ガードさせることすらできない。という感じになる。

 

なるほどねえ。

 

差し合いだとほぼどんな状況でもバクステとバックジャンプが安く済ませられるのだ。技をガードさせるだけでも一苦労だ。いやバクステでライン下げるよりはガードしたほうがいいやになるかもしれないが。それは相手が選べる。

 

 

いろんなキャラの小技を比べて見たいな。長い小技ってどれくらいあるのか。リュウの立ち弱Kがどれくらい強い技なのかを調べたい。今のところジェイミーの立ち弱パンよりちょっと優秀かもというくらいで、ルークの立ち弱Kと同じくらいかもという程度。春麗の弱パン弱Kよりは強そう。他キャラはどうか? リリーの弱パンとか実はめっちゃ強いか。

 

で全キャラの立ち弱Kを調べてみた。発生5F、リーチ長め、キャンセル可能、ヒットで+-0から+3くらい、ガードで-4から-2くらい、といろいろ共通点がある。キャラによっては発生6Fだったり立ち弱パンと性能が逆になってたり(ブランカ)とかちょっと例外もあるが。

でおそらくリュウの立ち弱Kは特別優秀ってわけでもない。わりとみんな強かった。つまり下段が欲しいのでなければ中足より立ち弱Kのほうが良い場面がけっこうある。どのキャラにおいても。

ブランカ立ち弱パンがかなり強そう。長い。

 

とはいえリュウはちょっとリーチが長くて食らい判定がやや出てない部類っぽい。リーチが9メモリなのか10メモリなのかという違いだけど、この繊細な間合いで1.1倍以上長いのはけっこう問題かもしれない。微妙な差だ。

 

久しぶりにジェイミーを考えてみる。

前大Kが超強いキャラだなと日に日に思う。ガードさせて-3Fでこのリーチはけっこうヤバい。

ヒット確認してSA1、と思ってたけどカウンター以上なら立ち弱パンが繋がるので別にそっちで良かった。インパクト返しとかアーマー取られたときだけSA1を撃つ。あと遠くて届かないときとか。むず。

立ち中Kは中足系にめっちゃ強い。中足には立ち中Kだ。

近い距離での牽制、中足より立ち弱パンを使うようにしたい。まじで中足と大してリーチ変わらんわりに早いし硬直差良いし全体短いしと良いことばっかである。

確反にも使うようにしたい。不利でかそうな技ガードしたら立ち弱パン押してみる。中足じゃ取れないけどこっちは間に合うということがよくありそう。ディージェイの中ソバットとか。

 

キャラまじで迷う。

やっぱ先出し系のキャラより見てから行動を構えながらじりじりやるキャラのほうが向いている気がする。様子見が長ければ長いほど強い説。

それでいくとザンギけっこう良い説あるんだよな。スクリューの読み合いが難しすぎるが。

 

思い出した、シンプルに自分が一番強いと思うキャラを使えばいいのではという指針。

春麗になるかもしれない。

春麗リュウの違い、一応牽制の強さはリュウのほうが強いか。ソバットと中足刀があって歩き波動もある中で、春麗は弾を撃つには移動が制限されたり、大パンと前大Kくらいで性能がちょっと微妙そうである。もう少し近い間合いになれば追突がかなり強いが、若干遠目だとリュウに分がありそう。

 

リュウ、波動と足刀撃てる組み合わせって実際どれくらいあるんだっけ?

波動は確か半分くらいのキャラに撃てて、足刀も半分くらいのキャラに撃てた気がする。

「相手SAゲージ3本、ドライブゲージ満タン」を前提に考えてみる。かなり厳しめに見る水準。リリーの風の有無とかも全部あるほうで見る。

波動は反応できない近い距離なら絶対撃てるので、遠目で撃てるかどうかを記載。

波動も足刀も撃てる:リュウ

波動は撃てるが足刀は撃てない:ケン2、ジュリ1、ガイル1、ラシード1

波動は撃てないが足刀は撃てる:ザンギエフ2、本田2、リリーOD、キャミィ3、JP3、ジェイミーSP、ルーク1、マリーザ3、本田2、春麗2

波動も足刀も撃てない:ディージェイ21

不明:ダルシムブランカ、マノン、キンバリー

と、こう。これまじか。波動抜けられない組み合わせ全然少ないぞ。

後ろに書いてある数字は何で抜けてくるか。123はSAの意味。ゲージがこれ以下だったら両方撃てる組になる。

つまりゲージない相手にはけっこう撃って良いみたいだ。なるほどね。

3本持ってる相手にはだいたい撃てないことが多いらしい。なるほど。

これは弾キャラ全般そうか。

あと足刀が実はかなり頼もしい。調べが浅いだけで撃てないキャラどんどん増えていくんだろうけど。いけるカードはガンガン使っていくことにしよう。最強の牽制技。ケンのSA2に絶対反撃取られるの見てじゃあ無理じゃんと思ってたが、あれはあの技のほうが異常なだけなのだ。

リュウ、足刀あってまじでよかった。本当に。

 

ディージェイ戦どうするんだ? 2本溜まるまでは弾の撃ち合いができ……ないか。強エアスラがつええ。どうするんだろう。しゃがみで待ってそうなのを活かしてソバットとか使うか。実際振る技ねえなと感じている。ほんとにソバットかも。そしてリュウが寄っていくカードかもしれない。向こうも中ソバットに立ち弱K取られやすいとかでめんどくさいはずである。

あとリュウの悩み、立ち大パンキャンセルラッシュで攻め込みたいんだけど立ち大パンをガードさせることすら難しいときがあるという悩み。前ステで入ってなんか技ガードしてそれで近め有利を作ればいいか。それかも。シンプルに前ステで近づくという策。

 

スト6のことを「牽制合戦で勝って」「有利を活かして崩す」ゲームだと認識している。牽制技が弱いキャラはもうどこまでいってもきついと思う。

そういう意味では搦め手に乏しい代わりに牽制の強いリュウはけっこうイケるんじゃないかと踏んでいる。波動、足刀、ソバット、大パン、立ち弱K、ここまで全部揃ってるキャラほとんどいないだろう。

ジェイミーとか比べてみるか。酔疾歩、前大K、立ち大K、中足と立ち中K、立ち弱パン。リュウに比べると弾がないのと近めがやや弱めに見えるが中距離が前大Kと立ち大Kでかなり分厚い。この距離が強いキャラっぽい。リュウは立ち大パンがかなりの長所として数えられている可能性がある。

歩き投げとか使いそうだ。あと中段思い出した。たぶん普通の中段を全キャラ中一番使っていきやすそう。20Fは見えまい。リターンもそれなりにあるしカウンターヒットするとなぜかコンボが繋がる。

これ他キャラもそうなんだっけ? 調べて見るか。

調べたところ、けっこうみんなそうだった。春麗とかそうじゃないキャラもいるけど、わりとみんな通常ヒットで+2Fとかあるのでカウンターしたら何か繋がりがち。

というかリュウの中段通常ヒットで+2Fって書いてるけどそうだっけ? 立ち弱Kが繋がるもんだと思ってたが。

調べたらやっぱ+2Fだった。カウンターで立ち弱パンチを繋げることになる。ちょっと近めじゃないとだめっぽい。きびしい。

 

ふと立ち大パンラッシュ確認の練習がしたくなり、やってしまった。もう寝る時間だが。

立ち大パン→ラッシュまで仕込んで置いてヒット確認して、ヒットならしゃが大から大波掌撃ルート、ガードならしゃがみ中パンからシミーとか投げの駆け引き、という確認。できると当たってたときのリターンが300くらい伸びる。そしてかっこいい。

こう書いてみると実はあんま変わってないかも。あんま練習する価値ない部分かもしれない。

とはいえリーチぎりぎりで当たったりするとしゃがみ中パン始動のコンボが怪しかったりするので、なんだろう、やりたいからやるんだよ!!!!!ということでいいかもしれない。

 

というか上の波動/足刀の表見て思ったけど、リュウ弱すぎでは。確反短くて弾抜けがないってどうなってんだ。

 

マスターリーグの上位100人の中にリュウが1人もいないらしいということを知った。そしてジェイミーも3人しかいない、とこの2キャラがワースト2らしい。どうして俺の選ぼうとするキャラは毎回不人気なんだ。

言うて今作のリュウはなんかいけそうな気配あるんだけどな。牽制が偉いゲームで牽制が強い、ってまあまあな個性では。

とはいえ明確に強いのは立ち大パンくらいか? 弾抜けない時間の波動もかなり強いかもしれない。

 

状況ごとのエクイティ、「有利かどうか」「大きく削れる技を持っているか」の二つでとりあえず評価すればいいんだろうか。

すると足刀やソバットでがっつり削れるのはまあまあ偉いのかもしれない。

 

そもそも有利かどうか、ってどうやって考えればいいんだろう。威力の高い技を持ってるかとか? 届く技同士の殴り合いでシンプルに有利だったらいいんだろうか。技以外の対応を迫られる時点で微妙かもみたいな。

リュウ、垂直に強いのも嬉しい。唯一咎められないのはバクステくらいなもんだ。バクステは強い。が波動が一応ある。

崩しに行くのはやっぱり難しいなと思う。立ち大パンの間合いに入るのが難しい。前ステを通すほうが距離的には条件が緩い。使っていくか。間合い詰めるための前ステガードとか前ステ小技とか普通にやったほうがいいかもしれない。有利な状況だったらなお。

このゲームで相手を崩す条件は「投げ間合いで有利フレームを取ること」だと以前整理した。じゃあその状況を作りに行ける状況も実質崩しが強いと言うことができる。

投げ間合いで有利フレームを取る方法は? 前ステ、前歩き、キャンセルラッシュが主だと思う。この三つはかなり見えない。

つまり近い距離で有利かどうかが大事っぽい。牽制合戦で勝って相手の置き技を黙らせることができているか。

 

スマブラだと牽制強くても崩せないキャラいたけど(マルスリトルマック)、あれは投げのダメージが低いからだったのだ。投げのダメージに下手したら3倍くらい差があるゲーム。何なら牽制技も相手の技を潰しやすいだけでダメージが低いため、かなり長い時間固めてからじゃないと投げに行けない。

その点リュウは立ち大パンの間合いでは圧倒的なパワーがあるのではと思う。ジェイミーとかこの間合いちょっと微妙で、立ち大Kの間合いから突っ込むしかないんだよな。

前ステ長い組はリュウの立ち大パンの間合いの外から前ステしに来れちゃうか。じゃあ弱いか。弱いかも。この間合いで絶えず足刀とかを撃ち続けるのは不可能だ。すごい濃い濃度で撃たなければ。でインパクトのキャップがあるのでそんなには撃てない。

前ステが強いかどうかがけっこう大事かもしれない。ジェイミーにするか?

 

いやそうか、前ステ長いキャラはその間合いでガードに対して大きなリターンが取れるけど、短いリュウはリターンがない、ということがあり得るのだ。なるほどね。で前ステが通ったときのリターンって700ダメージぶんくらい期待値があるから、ちょっと足刀で削って100ダメージ相当ですとか言ってる場合ではないのだ。前ステはえらい。

これかも。リュウの弱いところ。パリィラッシュ遅いとかはまだいいとしても前ステが遅いのはちょっと致命的かもしれない。それとも相手の前ステ全部止めれる時代が来たら変わるかもしれない。

ストⅤより技の密度が低いゲームになるから前ステを置きで止めれないはずなのだ。

 

各行動に対して何が勝つか、というのを整理してみるか。狩れない行動がないという状況が強そうである。

 

前歩き、前ステ、後ろ歩き、しゃがみガード、バクステ、垂直・前・バックジャンプ、パリィ、パリィラッシュ、インパクト、リバ、通常技・特殊技、必殺技、SA、で全部か。

 

これら全部に対して何かしら狩る選択肢を持っていなければ、まともに期待値が出せない。

 

 

ちょっと考えたいこと。今まで片方が有利な場合の読み合いを考えて来たけど、差し合いみたいなどっちが有利かわからん状況での読み合いをちょっと考えたいかも。

例えば前ステの距離で-2Fの状況とか。複雑すぎて無理かな。

例えばシンプルに、ジャンケンで全部の手が3点のプレイヤー対点数の配分が5:3:1のプレイヤーの場合とかを考えてみるか。これどうなるだろう。均等なほうが強くなる気がする。

 

ガリガリ手計算していくぞ。

目星をつけるか。分母を15として、5を3、3を5、1を15の割合で選べば丁度いい感じになるか。つまり5点の択を3/19、3点の択を5/19、1の択を15/19の割合で選ぶ。こうするとどうなる?

こうするともう片方のプレイヤーが何を選んでも期待値同じになるか。そうなのかな。

すると三択同士のジャンケンの期待値は「択のリターンの合計」で決まるということになるのではなかろうか。そうかもしれない。ほんとか? そんな単純なものでいいのか。どっちが有利かを考えるときはそれでいいのかもしれない。

 

いや三択のジャンケンの考察まじでむずいぞこれ。

もっと偏らせてみるか。

例えば7:1:1とか。これはやばいね。

1/15、7/15、7/15の割合で選ぶことになるか。

このとき7のやつに負ける手を選ぶと、-7と+21で+14。あれ? 7とあいこになる手を選ぶと、+21と-7で+14。あれ? 7のやつに勝つ手を選ぶと、3-7で-4。あれれ。

思ったより難しいぞこれ。ヤバい。

格ゲーの真髄ってここかもしれない。三択のジャンケンでそれぞれ得点が違うと計算するの難しいよね、ということかもしれない。

 

シンプルで具体的な形にして考えて見るか。

前ステ、牽制技、差し返し、がジャンケンになっているとする。

差し返しを狙っているところには前ステが通り、期待値500の攻めができるとする。

前ステしにくるところに牽制技を当てられれば2000くらい入るとする。

牽制技をスカすと差し返せて1000くらい入るとする。計算しやすそうな数字にしてみた。

……考え疲れてきたな。これを例えば合計値そのままで比重をいじったり、平均化してみたり、どっかに足してみたりして期待値の変遷を見たいのだ。大変すぎる。関数とか使ったほうがいいか。三次方程式とかになるんじゃないか?

 

とりあえずこの読み合いを計算してみるか。シンプルに。結果期待値どっちもプラマイゼロ、になるのはわかってるんだけどそれを確かめてみる。ちゃんとプラマイゼロに持っていけるのかどうか、そのとき比重はどうなっているのか。

まず前ステを食らわないためにどうすればいいか。前ステを通されると-500、止めると2000なので、前ステを食らう時間の1/4程度牽制技を振っていれば良いということになる。牽制:差し返しは1:4。

差し返しを食らわないためにはどうすればいいか。差し返されたときが-1000で、前ステ通したときが500なので、牽制の倍くらい前ステを使えばよいということになる。牽制:前ステが1:2。

最後に牽制を食らわないためにはどうすればいいか。牽制で前ステを止められると-2000、差し返すと1000なので、前ステ:差し返しを1:2にすればよい。

つまり、牽制1:差し返し4:前ステ2の割合で選ぶと、この全ての条件を満たして期待値がプラマイゼロになる。

 

さて比重をいじるぞ。

打撃が弱くて差し返しが強いキャラがいたとする。いないが。つまり牽制が1000、差し返しが2000と入れ替えて見る。こいつとさっきのやつを戦わせてみる。この入れ替えたほうをキャラB、元のやつをAとする。期待値プラマイゼロになるのかどうか。バランスの偏り具合は同じで順序は違うという例。

Aの前ステについて考える。差し返しを狙ってるとこに通されると-500、牽制振って止めると1000。つまり差し返し:牽制が2:1になる。

次に牽制について。前ステを止められると-2000、差し返すと2000。前ステ:差し返しは1:1になるはず。

最後に差し返しについて。牽制を差し返されると-1000、ここに前ステを通すと500。牽制:前ステは1:2になるはず。

これを全部満たすか? 牽制1:差し返し2:前ステ2で全部満たす。まじか! バランスが変わっても、同じくらい偏っていて合計値が同じなら期待値は同じになる。これはすごい発見だ。

例えばグリコのジャンケンで、グーは3歩、チョキとパーは6歩と決まっている。これをいじって、グーとパーが6歩でチョキが3歩、とかにしても別に何も有利になっていないということである。ただ難しくなるだけで。いやめっちゃ難しくなるけど。

 

今度は合計値同じままで偏り方を変えてみる。全部平均にならしたらどうなるか。

キャラAの性能はそのままで、キャラCを作る。えーと全部の択の合計値が3500だから、だいたい割って1000:1500:1000とかにするか。前ステ通したら期待値1000、牽制当てたら1500、差し返したら1000とする。これならちょっと強くなるのでは?

このキャラ目線でAの前ステを考える。差し返そうとしてるとこに前ステ通されると-500、牽制で止めると1500。差し返し:牽制が3:1になるはずである。

牽制を考える。前ステを止められると-2000、差し返すと1000。前ステ:差し返しが1:2になるはず。

最後に差し返し。牽制を差し返されると-1000、前ステを通すと1000になる。牽制:前ステが1:1になる。

かくしてどうなるか。……どうも計算が合わないというか、期待値プラマイゼロになっていないように見える。ちょっと余裕がありそうに見える。

えーと、まず前ステを止めるために牽制を差し返しの1/3以上は撃ちたいわけだ。ということで牽制1、差し返し3の比重で一旦選ぶとする。

次に牽制にリスクを付けるために、差し返しを前ステの2倍以上撃ちたいわけ。つまり差し返しの半分までなら前ステしても牽制を食らい過ぎない。牽制1、差し返し3に加えて前ステを1.5選ぶ。全部二倍して牽制2:差し返し6:前ステ3とする。この比重で選ぶと、前ステと牽制に対して期待値プラマイゼロになる。

最後に差し返しにリスクを付けるために、牽制より前ステを多く使いたいということになる。牽制と前ステの比率が同じなら差し返しに対して期待値プラマイゼロで、それ以上前ステできるなら差し返しに対して期待値プラスにできているということになる。上記の牽制2:差し返し6:前ステ3の段階で既に前ステがちょっと多いため、この読み合いはキャラCのほうが有利であるということになる。

 

まじか!!! やっぱり択のリターンが均一なほうが強いんだ。おそらく「合計値」と「偏り具合」で期待値が決まっている。

 

高い択が安くなってもいいから、狩れない択がないキャラのほうが実は火力がある、ということになるかもしれない。一般化すると。

 

でちょっと迷うのが「合計値はデカいけどすげえ偏ってるキャラ」と「合計値はやや小さいけどバランスがよいキャラ」でどっちのが良いのかという話。どの程度の合計値がどれくらいの偏りと釣り合うのかみたいな。これはもうわからん。

 

でもこれは大きな発見だな。やっぱりバランスよくいろんな択を見れるのが偉いのだ。

 

さてリュウの弱みとは、相手だけ前ステが届く距離で読み合われると合計値でもバランスでも大きく負けるという点である。向こうはガードに対して+500くらい取る択を持っているのにリュウ側はガードに対してなんか削って+100とかで済ませるしかない、しかもガードは一番安くてボトルネックになっている部分である。なるほどね。

これを解消するにはリュウも前ステが届く距離に行くしかない。もしくは相手の前ステが届かない距離まで離すか。もしくは前ステを見てから止めてそもそも読み合いから消してしまうか。

 

見てから行動が強いキャラってかなりいろんな選択肢をガードで消せるから、読み合いを考えるのが簡単になる、という点で良いかもしれない。

 

いやこれけっこう大きい発見だったかも。3×3でどっちが有利とかなさそうな合計値同じ読み合いでも、バランスの良いほうがちょっと有利なのだ。

というかそもそも合計値が違う場面がけっこうあるか。火力差とか有利な距離とか。

 

リュウの立ち大パンの強さ、打撃が打撃に勝つシーンでの火力が1000くらい高いっていう感じか。どうなんだろうねこれの価値は。元々1000入るところが1800になっても大差ないかもしれない。それより前ステの使える距離が伸びるほうが大事な気がする。

 

 

 

このゲームの行動をいろいろ書き出して見るか。どれくらいのリターンを以って狩れるかも合わせて。

まず打撃が普通に当たる行動は容易にリスクを付けられる。前歩き、前ステ、パリィラッシュ、遅い打撃、届かない打撃。遅い打撃には発生勝ち、届かない打撃には差し返しとかタイミングをずらした打撃で勝てる。このへんはたぶんそんなに問題にならなくて、どのキャラでもそれなりのリターンで狩れる。リュウの立ち大パンが強いのってこれらに対してなので、ちょっと微妙かもと思った。

次に、ガードしてるだけで容易に見てから返せる行動も問題ない。確定反撃のある技全般(通常技、特殊技、SA、昇竜など)、インパクト、前ジャンプ。前ジャンプに関しては見てから落とせるはずなんだけど、上を殴れる技が少ないのでその対空技によっては急に苦労する可能性がある。前飛びの上手さとは、相手の対空技への理解かもしれない。ドライブリバーサルも確定反撃のある行動に含めてよい。ガードで-8Fある。……急にあれだけど、運営的に-8Fは「距離が近ければ確定反撃がある」という扱いなんだろう。

前飛びに対して、空対空とか入れればさすがに落とせない状況はないか。

残ったのは、後ろ歩き、しゃがみガード、バクステ、パリィ、アーマー付きの技、垂直ジャンプ、バックジャンプ、早くて届いて確反のない打撃。これらはちょっとずつ癖がありそうだ。一個ずつ整理しよう。

早くて届いて確反のない打撃をどうするか。ジャスパとか無敵技ぶっぱで一応勝てる。硬直差が悪くて削りが弱い打撃だったらガードして若干勝ちという説がある。

アーマー付きの技、と分けたけどこれは技の性質によりそうだ。発生が遅ければ見てから返し、確反があればそれで返したり、上段アーマーだったら下段で殴るなど。

垂直ジャンプとバックジャンプはかなり難しいなと思う。飛び際の4Fを殴れれば一番良い。殴れないなら、垂直に対しては前歩きで寄っておいて対空するという手がある。長い技があれば見てから落とせるかも。バックジャンプはおそらく飛び際を殴るしかない、もしくは自分が突進技を撃っていなければ、とりあえずラインが上がってヨシとするしかないかもしれない。ほぼ初めて打撃が通らない択出てきたな。4Fに埋めれない状況だとバックジャンプで済まされる可能性がある。これは逆もしかりだ。飛び際の4Fを殴られさえしなければ、バックジャンプで何もかも避けることができる。ラインが下げることの価値がどれくらいかはわからないが。

垂直に対して前ステ様子見で狩るという選択肢があるな。

パリィは近ければ投げてかなりデカいダメージが入る。とはいえ遠ければパリィ空振り+後隙を殴って1.5ゲージくらい得することしかできないかもしれない。パリィけっこう強いのかも。やや遠目でも前ステ投げがあるか。パリィはそんなに困らないかもな。バクステに比べれば。

後ろ歩きは届く距離なら下段が通る。届かない距離なら前ステで崩しに行くしかない。しゃがみガードにも中段が通る。中段がなかったり遠かったりしたら前ステで崩しに行くしかない。もしくはガードの上から殴って削るというのがある。「ガードするとドライブゲージが減る」ってここに効いてくるシステムなんだな。

バクステもバクステ自体を殴るしかないかも。届く技がない場合がある。

 

これをリターン低い順、狩るのが難しい順に並べてみるか。

↑狩りづらい、安くなりがち
遠めのバクステ
飛び際を殴れない状況でのバックジャンプ
中下も前ステもない距離でのしゃがみガード/後ろ歩き
遠めのパリィ
早くて空振らなくて確反のない技
遠めの垂直ジャンプ
アーマー付きの技
近めのパリィ
打撃で狩れる行動(前歩き、前ステ、発生負けする技、届かない技、近めのバクステ)
ガードで狩れる行動(前飛び、インパクト、確反のある技、見てから返せる技)
↓狩りやすい、リターン取れるほう

と、こうなる。

バクステとバックジャンプとガードがありえんくらい強そうだということがわかった。これに比べればパリィは大したことなさそうである。技で固められるのもインパクトとか無敵技を使えば一応どうにかなる。バクステとかはまじでどうにもならん可能性がある。

早い技に対してどうすべきかあんまわかってなかったりもする。フレーム有利によってこれがなくなったり増えたりするから大事なんだな。飛び際を殴れるかも変わってくる。なるべくちゃんと早い技で殴ったほうがいいか。発生負けを防ぐ意味もあり、ジャンプを咎める意味もあり。

対空弱いキャラに遠めの微不利から前飛びするのとかけっこうありなんだな。実は。で対空の弱さをかばおうとするとそこで技が触れなくなると。対空超大事だ。

いやすごい理解が進んだかもしれない。

 

まず前ジャンプのリスクは対空技に依存する。対空が弱いと落ちないことがあり、落ちない飛びは最強である。前ジャンプが強い場面はちゃんとある。狙っていこう。特にめくりとか、硬直長い技を狙ってとか。対空の仕組みを今度考えたほうがいいかもしれない。

 

次に、バクステやバックジャンプを狩れるかはかなり大事である。バクステを狩れないほうに入れてしまったが、弾なら当たるのか。なるほど。バックジャンプは食らうが。垂直にもタイミング次第で当たる。

でも弾の対バクステ、タイミング次第では見てから抜けられちゃいそうだ。これも場合によるな。

 

 

だいぶ記事が長くなったし寝る時間になってしまった。

毎日、考えれば攻略進むもんだな。無理だと思ってたけど意外とできるもんだ。

スト6の攻略というより格ゲー一般の攻略をしているかもしれない。汎用性の高さはけっこう大事かも、と最近思っている。Alpha Goが人間の棋譜を捨ててAlpha Go Zeroになり、最後には囲碁への専門性も捨ててAlpha Zeroになったように、リュウを使いたいならスト6の攻略から、スト6で強くなるには格ゲーとか読み合い一般を考えるところからかもしれない。少しくらい時間がかかって具体性に欠けていても、出した結論はずっと使える。はずである。

何より、こんなアプローチをしている人間は本当に世界に自分しかいない。それがちょっと楽しいかもしれない。

……いやポーカーの世界とか見たらさすがにいそうだけど。少なくとも格ゲーでやってる人を自分は見たことがない。自分の観測範囲にいないだけかもしれないが。

これで上手くなって勝ったら、人の目には本当に魔法のように映るかもしれないな。