見てから返したい行動がひとつだけあるとする。フェイントもなし、いつそれをやってくるかだけだとする。
すると、その行動かどうかを判別する必要が無い。いわゆる「動いた確認」で良くなる。
これが二つになるとする。それぞれモーションが違って見分けられるが、見てから押すべきボタンが異なるとする。
すると、シンプルに見分けるのが難しくなる。モーションが似ていれば似ているほど勘違いしやすいし、見分けるための時間が余計に必要になる。出がかりのモーションが似ているなら、差異が出るフレームまで待つ必要もあるかもしれない。ということで相手の反応を遅らせられる。
ふたつの行動について、見分けられない確率があるとしたらどうなるか。もしくは、ヤマを張っていてそっちには絶対反応できるとしたらどうなるか。ヤマを張って押すボタンを決めていたら、返せるかは1/2になる。見えたり見えなかったりするなら、見えないうちの半分を間違って押すことになる。
では五つあるとしたら? まず判別がさらに難しくなる。習得時間もさらにかかる。
ヤマが当たる確率が1/5になるので、さっきは適当に押しても1/2の確率でしかミスってなかったのが今度は4/5もの確率で誤ったボタンを押すことになる。
見える確率が下がり、見えなかった場合にボタンがたまたま合っている確率も下がる。
ふと思ったこと。
強さとは、練習時間と効率を掛けたものである。
時間は有限である。効率を上げるしかない。
試合中に出せるパフォーマンスは、まず普段の練習などから強さの上限が決まっていて、そのときの集中力や調子によってそれをどこまで引き出せるかが変わる。
最大100のうち半分発揮できて50のパフォーマンスだとか、最大200のうち7割発揮できて140だとか。
強さをどんどん伸ばしていくことと、試合でそれを最大限引き出すことは、また別の事柄である。
そしてパフォーマンスを100%発揮することはできない。せいぜい80も出れば御の字である。
変えられるのはベースの強さだけである。
目の前の試合を勝つことだけじゃなく、長い目で見て勝つために、強くなる方法を考えたい。
もっと進んで、ただ今日を強くなるだけでなく、強くなり続けるために、効率の良い練習方法を考えたいな、と思う次第。
効率の良い練習方法ってなんだ。
自分の強さってどうやって測ったらいいんだ?
実際の試合をベースに考えることはできない気がする。真面目にやるならば。本当に長い目で見てやるならば。
起こり得るいろんなパターンを精査していくのが良いのではなかろうか。
結局総当たりなんだけど、それを効率よくやりたい。
正解不正解の二極で分けていくんじゃなく、仕組みや構造を理解する。似ているものを括って、性質を理解して、物事の力関係で考えていきたい。
スプラでそういう取り組みができるだろうか。微妙だ。けっこう正解不正解で考えてた気がする。死ぬか死なないかみたいな。常に死ぬ確率があって、ゼロにはならない。それを無理やり「死なない動き」「死ぬ動き」と分けてる気がする。
物事の曖昧さに耐えることができるか。
感謝で昇竜拳の人は、どうもこの無段階の変化について、ひたすら細分化して名前を付けるという方法で突破していたようである。
イメージで理解する、というアプローチができないかどうか。
こう、もやっとしたイメージの状態で、技のダメージやリーチを把握するような。
状況に対する判断を、考える過程では理屈をこねるとしても、出た結論は「性質としてだいたいこれがこれくらいの状況」と、なんか中間概念的なものを使って理解して(距離、フレームの有利具合とか? 書いててわからんくなってきた)それに対して動くみたいな。
単純なものの組み合わせで複雑になっているだけなのだ。そして最終的な出力も、部分部分で見れば単純なはずなのだ。でも格ゲーはタイミングの組み合わせで複雑さが無限になるか。
ランダムな試行から正解に至れるとはとても思えない。試行回数が足りない気がする。そして試行の幅を取ることもちゃんと拾い上げることも難しい気がする。
わからん。発売まであと半月。